中家住宅は、大和川北岸に残る大和地方の環濠屋敷である。
二重の濠に囲まれ、内濠と外濠の間は竹藪となっており、平城型居館の姿をよく残している。
中氏は、もとは足立氏と称し室町時代からこの地に住み、戦国時代は筒井氏の一族として活躍したが、その後帰農し現在に至っている。このため武家作りと農家造りを併せ持つ民家である。主屋は1659年の創建と考えられ、新座敷には安永2年(1773年)の棟札が残る。
11の焚き口を持つかまどや、民家では大変珍しい蒸し風呂、戦国時代の梅干しなど、見所が多い。
また、個人で所有している持仏堂、庫裏もある。